WOR-HOLI NOTE

オーストラリア異文化体験記

虹と難民 ⑴

昼過ぎに学校が終わると、私はたいてい州立図書館に出かける。
広い自習机がたくさんある美しい図書館で、その日の復習や課題をすませるのが日課だ。

その図書館の前にはゆるやかな階段状の広場があり、路上ミュージシャン社会運動家らをよく見かける。

そこで先日出くわしたのが、オーストラリア人が問題意識を抱える、「虹」と「難民」だった。

*****

オーストラリアは多数の難民を受け入れており、また多文化主義を掲げる移民の国である。
しかし同国政府は船で入国しようとした難民を、太平洋の島ナウル、マヌスに強制収容し、劣悪な環境下においていたという。

国民には隠されていたこの事実が明らかになり、今大きな話題になっているのだ。

図書館に向かって左側で行われていたのは、この難民の待遇を改善し、オーストラリアへ連れてきて保護せよというものだった。
チョークで地面に書かれていたのは、こんな言葉だ。

WELCOME REFGEES
BRING THE REFGEES HERE

(refgee; 難民)

一方、広場の右側で目をひいたのは「虹色の旗」だ。

LGBTの権利を求める象徴である、大きなレインボーフラッグがかかげられ、デモ行進が始まった。
参加していた若者が、ヒューッと歓声を上げながら通り過ぎていった。

(先日メルボルンの新聞「THE AGE」では「LGBTI」という記述があり、日本では聞きなれない「I」とは何かと思い調べると、「インターセックス(中間的な性)」のことだった。彼らの活動には、もしかすると「I」も含まれているのかもしれない。)

オーストラリアではつい先日、同性婚を認める法改正がなされたばかりだった。

これらの運動がどの程度支持されているのかはわからないのだが、設けられたブースに立ち寄り署名をしていく人々は、決して少なくなかったと思う。


(⑵につづく)

 

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