WOR-HOLI NOTE

オーストラリア異文化体験記

「ライフ・イズ・ショート」の世界

先日語学学校の授業で、“life”を使った慣用句が話題になった。

教わったのは、以下のようなもの。

“Life is one time offer, use it well.”
(人生は一回しかないから、有効につかえ。意訳、以下同)

“Life is short. Smile while you still have teeth.”
(人生は短い。歯があるうちは笑え。)

“If you love someone, show it.
Life is too short to keep your feelings inside.”
(もし誰かを愛したら、それを示しなさい。
感情を内に秘めておくには、人生はあまりに短い。)

他にも「人生は短いんだから、ルール無用でチャレンジせよ」みたいなのもあって、とにかく今ある生を満喫しなくては、という気持ちになった。

*****

これらの文を、はじめは共感をもって眺めていたのだが、しかしハタと思った。

本当に人生は短いのだろうか?

それは西洋世界独特の考え方であり、全く別の社会では、人生が長い・短いなんて考えもしないんじゃないか?

思えば日本で私は、老後の年金獲得へと向かう直線的な時間の上で、回り道すると元の時間軸には戻れないという恐怖とともに生きていた。
しかし仏教では輪廻転生という概念があるし、時間は直線的に進むのではなく円環しているという概念があるとも本で読んだ。

オーストラリアのアボリジニも、かつてはそんな円環の中にいたのではないだろうか。
自分一人ではなく、祖先、子孫も含めた環の中に生きている人々も、地球上にはけっこういるのかもしれない。

今日できなかった宿題は明日やればいいし、今世でできなかった旅は来世でやればいい。
日々をあわただしく過ごす必要はない。

とはいえ私はまだそんな境地に達しておらず、シルクロードもロシアもアフリカも行ってない、体力あるうちに行かなきゃという焦りは消えない。
「ライフ・イズ・ショート」の世界の住人である。

今生のうちに地球のすみずみまで行き尽くし、来世の私には、太陽系一周という楽しみを残しておこうと思う。

 

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メルボルン中心部の建物。いかにも「ライフ・イズ・ショート」らしい、現代的な香りがする)

 

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